営業の進め方·公開 2026年10月3日·FUKULO(合同会社商陣)

提案書の書き方|基本の構成と表紙・本文・最終ページの書き方、送ったあとの確かめ方

提案書は、相手の課題を整理し、解決の方法と費用と進め方を示して、相手に「次の一歩」を決めてもらうための書類です。書き方の基本は、相手の課題から始めて、解決策・効果・費用・スケジュールの順に並べ、最終ページで次に何をするかを示すことです。この記事では、構成と各ページの書き方を例つきで説明します。

目次
  1. 提案書の書き方の基本|見積書・企画書との違い
  2. 提案書の構成|基本の流れ
  3. 提案書の表紙の書き方
  4. 提案書の本文の書き方|課題・解決策・効果
  5. 提案書の最終ページの書き方
  6. 提案書を送るときと、送ったあとに
  7. 提案書の書き方のよくある質問
  8. 提案書の書き方のまとめ

提案書の書き方には、法律や業界で決まった形はありません。一般には、PowerPointなどのスライドで10〜20枚ほどにまとめ、PDFにしてメールで送るか、商談の場で画面に映して説明する会社が多く見られます。社内向けの提案では、Wordで数ページの文書にする形もよく使われます。

決まった形がないぶん、何をどの順番で書けばよいかで迷いやすい書類です。この記事では、営業が顧客に出す社外向けの提案書を中心に、基本の構成と各ページの書き方を説明します。自社の提案書と見比べて、足りないページがあれば足す、という使い方をしてください。

提案書の書き方の基本|見積書・企画書との違い

提案書の書き方を考える前に、似た書類との違いを整理しておきます。提案書は、相手の課題に対して「こうすれば解決できる」という方法を示し、相手に採用を決めてもらうための書類です。

書類役割主な中身
提案書課題の解決方法を示し、採用を決めてもらう課題・解決策・効果・費用・進め方
見積書取引の金額と条件を示す品名・数量・単価・金額・有効期限
企画書新しい企画の内容を示す(社内向けが多い)背景・狙い・企画の内容・実施計画
営業資料会社や商品を紹介する(相手を問わず使う)会社紹介・商品の特長・事例・料金

提案書と営業資料の違いは、相手が決まっているかどうかです。営業資料は誰に見せても通じるように作りますが、提案書はその相手の課題に合わせて1社ずつ書きます。提案書の中に営業資料のページを流用するのはよくあることですが、最初の数ページは必ず相手の話から始める、というのが書き方の基本になります。

また、提案書に費用のページを入れる場合でも、正式な金額と条件は見積書で別に出すのが一般的です。提案書は「どうするか」、見積書は「いくらで、どの条件で」を伝える書類と分けておくと、あとで食い違いが起きにくくなります。

提案書の構成|基本の流れ

提案書の構成は、相手が読みながら「自分たちの話だ」「これなら解決しそうだ」「進めてみよう」と順に納得できる並びにします。一般によく使われる流れは次のとおりです。

  1. 表紙提案の名前・宛名・提出日・自社名。何の提案かを1行で
  2. 現状と課題ヒアリングで聞いた相手の状況と困りごとを、相手の言葉で整理する
  3. 解決策課題ごとに、何をどうするかを示す。商品の説明はここで初めて出す
  4. 効果と事例導入するとどう変わるか。似た会社の事例があれば添える
  5. 費用とスケジュール費用の目安と、始めるまでの手順・期間
  6. 最終ページ(次の一歩)相手に次にしてほしいことを1つ示す
図:社外向け提案書の基本の構成(ページの並び順)

この並びのポイントは、自社の商品の説明を3ページ目以降に置いていることです。表紙の次にいきなり会社紹介や商品の特長が続くと、相手は「自分たちの話はいつ出てくるのか」と感じながら読むことになります。会社紹介を入れる場合は、表紙の直後ではなく、事例の近くや巻末の参考資料に回すと流れが途切れにくくなります。

ページ数の目安は、構成の6つの塊それぞれに1〜3枚ずつで、合計10〜15枚程度です。決裁者が最初の数ページしか読まないことを考えて、2ページ目に「提案の要約」を1枚置く書き方もよく使われます。

提案書の表紙の書き方

提案書の表紙は、受け取った人が「何の提案で、誰から誰へのものか」を一目で分かるようにするページです。表紙に入れる項目は、次の5つが基本です。

  • 提案の名前(タイトル):何についての提案かを具体的に書く
  • 宛名:会社名に「御中」、個人名なら「様」
  • 提出日:いつの提案かが分かるように日付を入れる
  • 自社名と担当者名:問い合わせ先が分かるようにする
  • 版や区分:「第2版」「概算版」など、差し替えがある場合に書く

タイトルは「ご提案書」だけで終わらせず、何の提案かが分かる言葉にします。相手の社内で回覧されたとき、ファイル名や表紙だけで中身が分かるかどうかで、読まれ方が変わるからです。

株式会社山田製作所 御中

図面・見積の共有方法の見直しに関するご提案
取引先ごとに最新の資料を1か所で渡す仕組み

2026年10月3日(第1版)

株式会社サンプル商事 営業部 田中 太郎
提案書の表紙に書く文面の例

タイトルの下にサブタイトルを1行置き、提案の中身を短く言い表すと、表紙だけで要点が伝わります。表紙にロゴや写真を大きく入れるかどうかは会社の好みですが、文字が小さくなるほど飾るより、タイトルが読みやすいことを優先すると見やすくなります。

提案書の本文の書き方|課題・解決策・効果

提案書の本文は、課題・解決策・効果の3つの塊で組み立てます。ここが提案書の中心で、書き方の差がいちばん出るところです。

現状と課題のページ

現状と課題のページには、ヒアリングで聞いた相手の状況と困りごとを書きます。ポイントは、営業の言葉に言い換えず、相手が話した言葉をできるだけそのまま使うことです。「最新の図面がどれか分からないと現場から言われる」と書かれていれば、相手は自分たちの話だとすぐに分かります。

課題が複数ある場合は、3つ程度に絞って番号を付けます。番号を付けておくと、解決策のページで「課題1に対しては」と対応させて書けます。課題を聞き取るときの項目と順番は、ヒアリングシートの記事で詳しく説明しています。

解決策のページ

解決策のページには、課題ごとに「何を、どうするか」を書きます。商品の機能を並べるのではなく、その機能で課題がどう解決するかを1文で書くのがコツです。「資料を差し替える機能があります」ではなく、「資料を差し替えると、取引先は常に最新の図面を見られます」のように、相手の側から見た変化で書きます。

解決策が複数の案になる場合は、表で並べて比べられるようにします。案ごとの費用・期間・できることを同じ行に並べると、相手が社内で検討するときに使いやすくなります。

効果と事例のページ

効果のページには、導入するとどう変わるかを書きます。数字で示せる効果(作業時間・件数など)があれば書きますが、根拠のない数字は入れないようにします。確かな数字がない場合は、「メールでの問い合わせが減る」「最新版を探す手間がなくなる」のように、変化を具体的な場面で書くほうが伝わります。

似た業種や規模の会社の事例があれば、ここに添えます。事例は「導入前の課題」「やったこと」「変わったこと」の3つに分けて書くと、相手が自社に置き換えて読みやすくなります。

費用とスケジュールのページ

費用のページには、費用の目安と内訳を書きます。正式な金額は見積書で出すとしても、提案書の段階で目安を示しておくと、相手は予算の検討を始められます。スケジュールのページには、決めてから使い始めるまでの手順と期間を、週や月の単位で並べます。

スケジュールには、自社の作業だけでなく、相手にお願いする作業も書いておくのがポイントです。「社内の担当者を決めていただく」「取引先の一覧をご用意いただく」のように、相手側の作業と時期が書いてあると、相手は社内でいつ何を準備すればよいかが分かります。ヒアリングで聞いた導入の希望時期から逆算して、いつまでに決めてもらえば間に合うかを示しておくと、相手が決める時期の目安にもなります。

図と表を使うページを決める

提案書の本文は、文章だけで埋めると読むのに時間がかかります。今のやり方と提案後のやり方を比べるページは左右に並べた図、案ごとの費用や期間は表、使い始めるまでの手順は矢印の流れ図、というように、ページの役割に合わせて図と表を使い分けると、読み手は一目で要点をつかめます。図を入れたページには、図の下に「何を示しているか」を1行添えておくと、説明なしで読まれる場合にも意味が伝わります。

提案書の最終ページの書き方

提案書の最終ページは、意外と書き方に迷うページです。「ご清聴ありがとうございました」だけで終える書き方も見かけますが、送った提案書を相手が一人で読む場合には、最後に次に何をすればよいかが書いてあるほうが動きやすくなります。

最終ページに書くとよい内容は、次の3つです。

  • 提案の要点の振り返り:課題と解決策を3行ほどで
  • 次の一歩:相手に次にしてほしいことを1つ。「10月14日の打ち合わせで、工場長に15分お時間をいただけますか」など
  • 問い合わせ先:担当者名・電話・メールアドレス

ポイントは、次の一歩を1つに絞ることです。「お見積もり・デモ・資料請求など、お気軽にご相談ください」と選択肢を並べるより、「まずは無料の試用をお試しください」「次回の打ち合わせで決裁者の方に説明させてください」と1つに絞るほうが、相手は決めやすくなります。

提案書を出す前に見直す項目

提案書を書き終えたら、出す前に相手の立場で読み直します。見直すときは、次の項目を順に確かめると抜けを見つけやすくなります。

  • 表紙のタイトルだけで、何の提案かが分かるか
  • 2〜3ページ目までに、相手の課題が相手の言葉で書かれているか
  • 課題と解決策が、番号で1対1に対応しているか
  • 効果の数字に根拠があるか。根拠のない数字が入っていないか
  • 費用のページの金額と、別に出す見積書の金額が食い違っていないか
  • 最終ページに、次の一歩が1つだけ書かれているか
  • 宛名・社名・担当者名に誤字がないか。前の提案書の社名が残っていないか

最後の項目は、ほかの会社向けに作った提案書を流用したときに起きやすい失敗です。表紙だけでなく、本文の途中やページの下の小さな文字にも前の社名が残っていないかを確かめます。ファイル名に古い社名が残っていることもあるので、PDFにする前にファイル名も見直しておくと安心です。

できれば、提案書を書いた本人ではない人に一度読んでもらうと、書いた人には当たり前で説明が抜けているところが見つかります。上司に見てもらう時間がなければ、1日おいてから読み直すだけでも、気づくことは多くあります。

社内向けと社外向けの書き方の違い

社内向けの提案書(業務改善の提案など)も、構成の考え方は同じです。違いは、社外向けよりも「費用と効果」「リスクと対策」を厚めに書くことと、表紙や挨拶を簡素にしてよいことです。社内向けでは、A4で1〜2枚の文書にまとめる「1枚提案書」の形もよく使われます。その場合は、目的・現状と課題・提案内容・効果・費用・スケジュールを見出しにして、1項目を数行ずつで書きます。

提案書を送るときと、送ったあとに

提案書は、商談の場で説明したあとにPDFをメールで送るか、商談の前に送って読んでおいてもらう形が一般的です。メールで送るときは、本文に提案の要点と、相手にしてほしいことを短く書きます。

件名【ご提案書送付】図面・見積の共有方法の見直しについて(株式会社サンプル商事)
株式会社山田製作所
購買部 山田 一郎 様

いつもお世話になっております。株式会社サンプル商事の田中です。
先日はお忙しいところ、お時間をいただきありがとうございました。

お打ち合わせでうかがった課題をもとに、ご提案書をお作りしました。
要点は次の3つです。
・取引先ごとに、最新の図面と見積書を1か所で渡せるようにする
・差し替えた資料は、取引先に最新版だけが見えるようにする
・費用の目安と、使い始めるまでの手順(約2週間)

10月14日のお打ち合わせで、工場長にもご説明させていただければ幸いです。
ご不明な点がございましたら、お気軽にお問い合わせください。

株式会社サンプル商事 営業部 田中 太郎
tanaka@sample-shoji.example
文例:そのまま使えるメールの例(社名・人名は架空)

提案書を送ったあとは、数日おいて「ご覧いただけましたか」と連絡するのが一般的な進め方です。このとき、相手が提案書を開いたか、どのページまで読んだかが分かると、連絡の中身を変えられます。費用のページを何度も見ているなら費用の相談を、事例のページで止まっているなら事例の補足を、という具合です。提案書が決裁者に回覧されたかどうかも、連絡の時期を決める手がかりになります。

ルームフクロウは、顧客ごとの専用ルームで提案書を渡すサービスです。ルームのURLを送ると、相手はメールアドレスを入れるだけで開けます(会員登録やアプリは要りません)。誰が・いつ・どの資料の・どのページまで見たかが、顧客の詳細の画面に残ります。

顧客の詳細の画面。最終閲覧・直近7日の訪問・閲覧した資料・未閲覧の資料
実際の画面:顧客の詳細。開いた日時・訪問回数・未閲覧の資料が分かる

提案書を直して新しい版に差し替えると、ルームには最新版が出て「更新」の印が付くので、相手が古い版を読み続けることもありません。提案書の差し替えの進め方は提案書の差し替えでも紹介しています。

提案書の書き方のよくある質問

提案書の基本の構成は?

表紙・現状と課題・解決策・効果と事例・費用とスケジュール・最終ページ(次の一歩)の順が基本です。相手の課題から始め、自社の商品の説明は解決策のページで初めて出すと、流れが途切れにくくなります。

提案書の表紙には何を書けばよいですか?

提案の名前・宛名・提出日・自社名と担当者名が基本です。タイトルは「ご提案書」だけにせず、何の提案かが分かる言葉にすると、相手の社内で回覧されたときにも中身が伝わります。

提案書の最終ページには何を書きますか?

提案の要点の振り返り、相手にしてほしい次の一歩、問い合わせ先の3つです。次の一歩は「次回の打ち合わせで決裁者に説明させてください」のように1つに絞ると、相手が決めやすくなります。

提案書は何枚くらいにすればよいですか?

社外向けのスライドなら10〜15枚程度がよく見られる目安です。決裁者が最初の数ページしか読まないことを考えて、2ページ目に提案の要約を1枚置く書き方もあります。

提案書の書き方のまとめ

提案書の書き方の基本は、相手の課題から始めて、解決策・効果・費用・スケジュールの順に並べ、最終ページで次の一歩を示すことです。

  • 表紙には、何の提案かが分かるタイトルと、宛名・提出日・自社名を入れる
  • 本文は課題・解決策・効果の3つの塊で書き、課題は相手の言葉で書く
  • 最終ページでは、相手にしてほしい次の一歩を1つに絞って示す

提案書の材料になる相手の課題は、商談のヒアリングで集めます。聞く項目と順番はヒアリングシートの記事を、提案書のもとになる会社やサービスの紹介ページの作り方は営業資料の作り方を参考にしてください。

14日間無料・カード登録なし

書類を送ったあとの「見たかな?」をなくす

顧客ごとの専用ルームで資料を渡し、誰がどの資料を何ページまで見たかを記録します。料金は月4,980円から公開しています。